2026年春に始まる!企業価値担保権による新たな資金調達の選択肢とは?
今回は来年春に始まる企業達担保権による新たな資金調達の選択肢のお話しです。
今までの課題と、新たな融資について等々解説していきます。
事前に知っておくことで、対策に役立てればと考えています。
―日本の融資の現状と課題
現在、日本の企業が活用している主な融資方法は、以下の3つです。
- 経営者保証による融資
- 信用保証協会の保証付融資
- 不動産等の有形資産を担保する融資
現状では、企業の時価総額に占める有形資産の評価比率は約70%にのぼります。これに対し、米国では約10%程度とされており、多くの評価が人的資本・知的財産・ノウハウ・ビジネスモデル等の無形資産に向けられています。
このような背景から、有形資産に乏しいスタートアップの資金調達が困難になったり、経営者保証の負担が後継者の事業承継を妨げるケースが生じるなど、多くの課題が顕在化しています。
「企業価値担保権」の概要と可能性
新制度では、担保の対象を無形資産を含めた「事業全体の価値」とすることで、資金調達の幅が広がることが期待されています。
以下に概要をまとめました。
| 項目 | 企業価値担保権の特徴 | 補足説明 |
|---|---|---|
| 担保目的財産 | 総財産(事業全体の価値) | 将来キャッシュフロー含む |
| 借り手 | 株式会社・持分会社 | 自己債務のみ対象。個人や会社以外の法人は不可 |
| 担保権者 | 企業価値担保権信託会社 | 本制度に伴い新設 |
| 貸し手 | 制限なし | 銀行・ベンチャー・再生ファンド等 |
| 対抗要件 | 商業登記簿への登記 | 担保権の優先順位は登記順などによる |
| 借り手の制限 | 原則自由だが一部制限あり | 通常の事業活動を超える行為は担保権者全員の同意が必要 |
| 経営者保証 | 原則として制限される | ただし粉飾など例外あり |
また、担保権の実行手続きでは、事業の中断を避け、雇用や許認可の承継を可能にする新制度が設けられます。
活用が期待される場面
本制度の導入により、以下のようなシーンでの活用が期待されます。
- スタートアップ企業
技術力・知的財産などの将来性を担保として資金調達できることで、研究開発などの先行投資が可能になります。 - 事業承継
経営者保証によって承継を躊躇していた後継者も、企業価値を担保に資金調達ができることで、円滑な事業承継につながります。 - 事業再生
業績が悪化した場合でも、事業の価値が残っていれば、それを担保に資金調達し、再建への足掛かりとすることが可能です。
企業価値を見つめ直す機会として
企業価値担保権の施行によって、
これまで担保として評価されにくかった「技術」「知的財産」「ノウハウ」「人材」など、
企業が持つ“見えにくい価値”にも注目が集まっていくかもしれません。
特に中小企業や小規模事業者にとっては、
「自社の強みは何か」
「どのような価値を持っているのか」
を改めて整理するきっかけにもなりそうです。
資金調達だけでなく、事業承継や事業再生にも関わる制度だからこそ、今後の動向に注目していきたいですね。
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🔗参考記事
▶特許庁:中小企業の皆さまへ 知的財産を事業に活かそう
▶金融庁:事業全体を対象とする担保制度(企業価値担保権)
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