小倉南区民生委員児童委員協議会 年長者部会で成年後見制度についてお話ししました
2026年4月15日、小倉南区民生委員児童委員協議会 年長者部会にて、研修講師を務めさせていただきました。
テーマは、「知っておきたい高齢者支援の制度」です。
今回は、認知症と成年後見制度を中心に、終活における行政書士の役割、法定後見制度、任意後見制度、北九州市の支援制度などについてお話ししました。
当日はあいにくの雨模様でしたが、小倉南区の各地域から40名を超える方々にご参加いただきました。
会長からも「いつもより参加人数が多い」とのお話があり、皆さま非常に熱心に耳を傾けてくださいました。
地域で相談を受ける立場の方々へ
今回ご参加くださったのは、小倉南区全エリアの代表の方々です。
地域の中で、高齢者ご本人やご家族から相談を受ける立場にある皆さまでした。
そのため、一般的な終活セミナーよりも一歩踏み込み、実際の支援現場を意識した内容を中心にお話ししました。
具体的には、成年後見制度でできること・できないこと、法定後見と任意後見の違い、任意後見制度の実務上の注意点、財産管理等委任契約との関係、地域福祉権利擁護事業との役割分担、本人意思確認の重要性などです。
終活における行政書士の役割
研修では、まず行政書士が終活や高齢者支援の中でどのような役割を担うのかについてお話ししました。
行政書士は、遺言書原案作成、任意後見契約、財産管理等委任契約、死後事務委任契約など、「将来への備え」に関する業務に携わることが多くあります。
また、紛争を未然に防ぐ「予防法務」の視点から、本人の意思を整理し、必要に応じて弁護士・司法書士・税理士など他士業と連携しながら支援を行っていくことも重要な役割です。
高齢者支援の場面では、法律・福祉・医療・家族関係など、さまざまな問題が重なり合うことがあります。
そのようなとき、どの専門家につなぐべきか、どの制度を検討すべきかを整理することも、行政書士が担える役割の一つだと考えています。
成年後見制度について
成年後見制度については、認知症などにより判断能力が低下した場合に、どのような手続きが難しくなるのかという点からお話ししました。
たとえば、預貯金の管理、不動産の処分・管理、各種契約、相続や終活に関する手続きなどは、判断能力が低下すると本人だけで進めることが難しくなる場合があります。
そのようなときに、本人を法的に支援する制度が成年後見制度です。
研修では、法定後見制度の「補助」「保佐」「後見」の違い、後見人ができること・できないこと、後見人の報酬、申立ての流れなどについて、できるだけ具体例を交えながら説明しました。
特に、成年後見人は何でもできるわけではありません。
財産管理や契約手続きなどを支援する一方で、直接的な介護や家事、医療行為への同意、身元保証人になることなど、できないこともあります。
この線引きは、実際の支援現場でも誤解されやすい部分です。
だからこそ、地域で相談を受ける方々に制度の基本を知っていただくことは、とても大切だと感じています。
任意後見制度と「備える」という考え方
任意後見制度については、本人に十分な判断能力があるうちに、将来支援してくれる人や支援内容を決めておく制度として説明しました。
法定後見制度は、すでに判断能力が低下した後に家庭裁判所へ申立てを行う制度です。
これに対し、任意後見制度は、判断能力があるうちに将来に備えて契約をしておく点に特徴があります。
研修では、任意後見制度の将来型・移行型・即効型の違いや、見守り契約、財産管理等委任契約、死後事務委任契約との関係についてもお話ししました。
任意後見制度は、本人の意思を反映しやすい制度です。
一方で、契約した内容以外のことはできないこと、任意後見監督人選任の申立てを適切な時期に行う必要があることなど、注意すべき点もあります。
「元気なうちに備える」ことの大切さを、改めてお伝えしたい内容でした。
北九州市の支援制度について
研修の後半では、北九州市で行われている成年後見制度利用支援事業や、地域福祉権利擁護事業についてもご紹介しました。
成年後見制度利用支援事業では、一定の要件に該当する場合に、市長申立てや申立費用、後見人等報酬の助成が行われることがあります。
また、地域福祉権利擁護事業では、判断能力が不十分な方に対し、福祉サービスの利用援助や日常的な金銭管理、書類等の保管などの支援が行われています。
地域で支援を必要とされる方にとって、どの制度につなぐのか、どこに相談するのかは非常に重要です。
制度を知っていることで、早い段階で適切な支援につながる可能性があります。
北九州市社会福祉協議会では、「権利擁護・市民後見センター らいと」を中心に、地域福祉権利擁護事業や法人後見事業、終活相談事業などが行われています。
詳しくは、北九州市社会福祉協議会「権利擁護・市民後見センター らいと」をご覧ください。
▶ 北九州市社会福祉協議会 権利擁護・市民後見センター「らいと」
地域で学び続けることの大切さ
今回の研修では成年後見制度を中心にお話ししましたが、年長者部会では、さまざまな分野の講師を招き、日頃から継続的に研修を行われているとのことでした。
地域で高齢者の相談を受ける立場だからこそ、制度や支援について学び続けておられる姿勢に、私自身とても学ばせていただきました。
実際、地域でのちょっとした気づきや見守りが、必要な支援につながるケースも少なくありません。
成年後見制度も、制度だけで完結するものではなく、地域で支える方々との連携があってこそ、本当に機能するのだと改めて感じました。
ご参加いただきありがとうございました
当日は、皆さま熱心にお話を聞いてくださり、アンケートにも積極的にご記入いただきました。
貴重なご感想をいただけたことも、今後の活動に活かしていきたいと思います。
成年後見制度や終活支援は、今後ますます重要になっていく分野です。
私自身も、地域の皆さまのお役に立てるよう、これからも学びを深めながら、分かりやすい情報発信を続けていきたいと思います。
このたびは、このような貴重な機会をいただき、誠にありがとうございました。
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