著作権シリーズ第11回(番外編)新聞記事を社内で共有してもOK?初心者にもやさしく解説!
こんにちは!
これまで著作権についてシリーズでお届けしてきましたが、今回は番外編として、
「えっ、それも著作権の対象になるの?」という、身近だけど見落とされがちな話題をご紹介します。
職場や学校でやってませんか?
たとえばこんなこと、日常的に行われていないでしょうか?
- 新聞記事をコピーして掲示板に貼る
- 記事をスキャンして、社内のサーバーに保存
- ウェブニュースをPDFにして社内にメール配信
実はこうした行為、著作権のルールに反している可能性があるんです。
実際にあったトラブル
過去には、ある自治体が新聞記事を庁内で共有していたところ、新聞社から訴えられてしまったケースがありました。
企業や大学でも、記事をデジタル化して社内で自由に閲覧できるようにしていたことで、
著作権侵害とされてしまった例があります。
「うちの中だけで使ってるんだから大丈夫でしょ?」と思っていても、
著作権法では“私的使用”の範囲を超える利用はNGなんです。
じゃあ、どうすればいいの?
新聞記事を安心して活用するためには、次のような方法があります:
✅ 1. 著作権者に直接許可をもらう
新聞社に連絡を取り、使用目的や範囲を伝えて許可を得ます。
✅ 2. 管理団体を通じて許諾を受ける(←おすすめ!)
📌 JRRCって?
JRRC(日本複製権センター) は、文化庁長官の指定を受けた著作権管理団体です。
新聞・雑誌・出版物などの記事を対象に、複製や社内共有などの利用許諾を一括で管理しています。
たとえば:
- 新聞記事をスキャンして社内で共有したい
- 過去の記事を資料に使いたい
- 教材に記事を載せたい
こうした場合は、JRRCに申請すれば、必要な許諾をまとめて取ることができます。
加盟している新聞社には、朝日・読売・日経など大手も多数!
▶ 詳しくはこちら:
📎 JRRC公式サイト
✅ 3. 専門サービスを使う
新聞記事をライセンス付きで提供しているサービスを使うのも安心です。
(たとえば、NIKKEIクリッピングなど)
まとめ 〜「知っていれば防げること」だからこそ〜
新聞やニュース記事は、情報共有や教育にとても役立つコンテンツですが、
著作物である以上、ルールを守って活用することが大切です。
今回ご紹介したような事例は、特別なことではなく、
「うっかり」「昔からやっている」そんな理由で起きることも少なくありません。
私自身も、まだまだ勉強を続けている立場ではありますが、
著作権のことをもっと身近に、わかりやすく伝えていける専門家でありたいと思っています。
もし、この記事を読んで「うちの場合はどうなんだろう?」と感じた方がいらっしゃいましたら、
どうぞお気軽にお問い合わせください。
一緒に考え、最善の方法を探すお手伝いができれば嬉しいです。
📚 過去記事はこちら
・第1回:著作権の実名登録とは?第一発行年月日との違いも初心者向けに解説!
・第2回:「プログラム著作物の著作権管理と創作日の登録が重要な理由」
・第4回:これ、使っていいのかな?――著作者がわからない作品と著作権の話
・第5回:知らなかったでは済まない!著作権トラブルを防ぐ3つの鉄則
・第6回:自分の作品が勝手に使われた!そんなときどうすれば?
・第7回:お客さんとやりとりするときに気をつけたい、著作権と契約の話
・第8回:著作権フリー?パブリックドメイン? よく聞く言葉をやさしく解説
・第9回:著作隣接権ってなに?画像・音楽・演奏…使う前に知っておきたい注意点
・第10回:これだけは押さえたい!著作権と上手に付き合うための10のルール
💡次回は、ちょっとユニークな話題として
「動物に著作権はあるの?」というおまけ的な記事をお届けします。
そちらも、ぜひお楽しみに!
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