生成AIと著作権侵害|ミッドジャーニー訴訟と著作権法30条の4を考える
6月16日月曜日 涼しい風が吹いている曇り空の朝です。
ディズニーとユニバーサルが、生成AI企業「ミッドジャーニー」を
著作権侵害で米カリフォルニア州ロサンゼルスの連邦地裁に提訴と報道されました。
「ミッドジャーニー」が、ディズニーとユニバーサルが著作権を持つ画像を
無数に無断利用及び生成する事で収益を出ていると指摘しています。
両社は今回の提訴前に「ミッドジャーニー」に対し使用中止を求めたものの、要求を無視されたことから提訴に踏み切ったようです。
ハリウッドの大手スタジオが、AIサービスの出力例や売上状況等々詳細な証拠を揃えて
生成AIによる著作権侵害訴訟を起こすのは初めてです。
どのような司法判断が下されるのか、今後の生成AIと著作権にとって注目すべき訴訟となります。
この報道がされる少し前に、東北大学の「生成AIと知的財産権」知財セミナーに参加していました。
セミナーでは、
文化審議会・著作権文化会・法制度小委員会2024年3月公表「AIと著作権に関する考え方」、
AI時代の知的財産権検討会2024年5月公表「中間とりまとめ」
の解釈について詳しい説明を聞くことができました。
生成AIと著作権に関しては、著作権法30条の4及び30条の4ただし書が重要になります。
30条の4
「著作物に表現された思想又は感情の享受を目的としない場合には、利用することができる以下略」
※享受:著作物等の視聴等を通じて、視聴者等の知的・精神的欲求を満たすという効用を得ることに向けられた行為
30条の4ただし書
「当該著作物の種類及び用途並びに当該利用の態様に照らし著作権者の利益を不当に害する事となる場合には、この限りでない」
つまり、以下のようになります。
①著作権法30条の4の要件を充足すれば適法
②享受目的が併存する場合
ⅰ.アイデアレベルで創作的表現を出力することを目的としない場合
▶30条の4の適用あり
ⅱ.創作的表現を出力することを目的とする場合
▶30条の4の適用なし
最近ジブリ風が著作権侵害に当たるのかと話題になっていましたが、
ジブリ風はアイデアレベルであると考えられるため
著作権侵害には当たらないと考えられています。
「生成AIと知財」の関係では「著作権」が大きく影響を受けるため、
とても楽しみにしていたセミナーでした。
他の参加者の関心も高く、非常に多くの質問が寄せられて、時間が足りないほどでした。
参加者の意識の高さを肌で感じることができました。
日本ではまだ生成AIの著作権侵害に対する裁判例がないため、今後裁判所がどのような判断を下すのかを待っている状況です。
アメリカでの裁判例も一つの材料となるのではないでしょうか。
セミナーのほんの一部を紹介しましたが、本当に有意義なセミナーに参加できて良かったです。
今週は梅雨の中休みで、気温もぐっと上がってきそうですね
熱中症に気を付けながら、今週も乗り切っていきましょう!
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