知財のグレーゾーンシリーズ 第7回【応用編】:知財の見える化に!

―経営デザインシートを使って、自分の強みと資産を整理しよう

こんにちは!
今回は知財のグレーゾーンシリーズ第7回、応用編として「経営デザインシートを使って自分の強みと資産を整理する方法」についてお話しします。

経営デザインシートは、内閣府が推奨するフレームワークで、過去・現在・未来の視点から事業の価値や強みを見える化するツールです。特に個人事業主や小規模事業者の方におすすめで、意外と気づきにくい「無形の知財資産」を棚卸しするのに役立ちます。

この記事では、実際に使うときのポイントや私の気づきも交えながら、わかりやすく解説していきますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。


経営デザインシートってなに?

経営デザインシートは、内閣府が推奨するフレームワークで、事業の過去・現在・未来を整理し、自社の「価値」や「強み」を見える化するツールです。特に個人事業主や小規模事業者にとって、漠然とした想いやアイデアを具体化し、事業計画や経営改善につなげる助けになります。

シートは大きく3つの視点から構成されています。

  1. これまで(過去)
  2. いま(現在)
  3. これから(未来)

この視点を順に書き出していくことで、自分たちの事業がどんな歩みをしてきて、今どんな状況にあり、将来どこを目指しているのかを整理できます。


なぜ「知財」の整理に役立つの?

「うちには特許なんてないよ…」と感じる方も多いかもしれません。でも、経営デザインシートを使うと、実は目に見えない資産=無形資産が多くあることに気づきます。たとえば、オリジナルのロゴやネーミング、営業マニュアル、接客ルール、Webサイトの写真や文章、さらにはお客様との信頼関係も、広い意味での知的財産です。

これらは、形のないけれど事業の強みとなる重要な「知財の芽」です。まずはこれを見える化し、棚卸しすることが知財活用の第一歩になります。


知財棚卸しにつながる!シート活用のポイント

経営デザインシートを使う際は、下記のような無形資産に注目してみてください。

  • ロゴやネーミング
  • 営業マニュアルや接客ルール
  • Webコンテンツ、写真、資料
  • 顧客との信頼関係
  • 専門知識や経験、実績

これらを書き出すと、意外と自社の強みや「知財」が見えてきます。ブログ読者の方にも、ぜひチェックリスト感覚で取り組んでみてほしいポイントです。


書き方のコツ:まずは「言葉にする」だけでOK

経営デザインシートは、完璧を求めず、思いつくまま書き出すことが大切です。未来の部分は、「こうなったらいいな」という夢や理想でも構いません。

また、一人で黙々と書くよりも、できればスタッフや家族、仲間と話しながら進めると、思わぬ強みや課題に気づけます。経営デザインシートは、あなたの事業の“見える化ツール”として、未来への第一歩を後押ししてくれます。



こんな活用法もある!

経営デザインシートは、補助金申請や融資相談の資料作成、事業計画書の土台作りにも活用できます。また、スタッフや家族に自分の事業の思いを伝えるツールとしても便利です。

自分の事業の“らしさ”や“価値”を言葉にすることで、未来に向けた具体的なアクションが見えてきます。


🔙未来からのバックキャストが大切

経営デザインシートは、未来の理想像から逆算して今やるべきことを考える「バックキャスト」が特徴です。単なる夢物語ではなく、5年後や10年後の売上や利益のイメージ(未来P/L)を描くことで、理想の実現に向けた具体的な道筋を立てられます。

たとえば、「5年後に売上○○万円、利益○○万円」という数字を置いてみると、今すべき価格設定や販売戦略、商品開発が明確になります。


まとめ:経営デザインシートで“知財の芽”を育てよう

経営デザインシートは、未来志向で自社の価値や強みを整理できるツールです。知財=特許だけではなく、日常の中にある無形資産を見える化し、事業の成長や経営改善につなげましょう。

まずは一度、シートに向き合って書いてみること。そこから見える景色が変わり、経営の軸がしっかり定まります。

おわりに:「強み」は意外と足元にある

私自身も経営デザインシートを学んでみて、驚いたのは「自分が当たり前と思っていたことが、実は強みだった」ということです。たとえば、ブログの文章を毎週継続して発信していること、名刺のデザインにこだわっていること、お客様への丁寧な対応など、どれもお客様に喜んでもらえる大切な資産でした。

書いてみると、「私にも整理できる資産がある」と実感できます。ぜひ読者の皆さんにも、気軽にチャレンジしてほしいと思います。

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