著作権シリーズ第8回 著作権フリー?パブリックドメイン? よく聞く言葉をやさしく解説
こんにちは!
当事務所では、個人事業主や小規模事業者の皆さまの知財(知的財産)に関するお悩みをサポートしています。私自身も日々勉強を続けながら、「ちょっと難しいけれど、全然できなくもない!」を合言葉に、皆さんと一緒に学んでいけるブログを目指しています。
今回は、「著作権フリー?パブリックドメイン? よく聞く言葉をやさしく解説」について、具体例も交えてお伝えします。
🔍「フリー素材」って本当に自由?
「この画像、著作権フリーだから使っていいんでしょ?」という言葉、聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
でも実は、「著作権フリー」という言葉には決まった法律上の定義がありません。
素材サイトなどでよく見る「フリー素材」「著作権フリー」は、「特定の条件のもとで、無料で使える」という意味で使われていることがほとんどです。
たとえば、「クレジット表記が必要」「商用利用は不可」など、利用規約に従うことが条件になっている場合もあります。
🧾 CCライセンスって何?
クリエイティブ・コモンズ・ライセンス(CCライセンス)は、著作権を保持したまま「使っていいよ」と伝える仕組みです。
たとえば、次のような条件が設定されていることがあります:
- 表示(BY):作者名を表示すればOK
- 非営利(NC):商用利用はNG
- 改変禁止(ND):加工せずそのまま使う
- 継承(SA):同じ条件で再配布すればOK
組み合わせによっては、商用利用や改変が禁止されている場合もあります。
📺 たとえば…ディズニーの「初代ミッキー」
2024年、アメリカでは1928年公開の短編アニメ『蒸気船ウィリー』のミッキーマウスが、パブリックドメインになりました。
つまり、初代ミッキーは「著作権の保護期間が終了した作品」として、誰でも自由に使える状態になったのです。
…とはいえ、注意が必要です!
- 使えるのは1928年当時のデザインのみ
- 現在のミッキーや名前・ロゴは商標で守られている
つまり、「著作権が切れた」=完全に自由に使えるとは限らないんですね。
🗝 パブリックドメインとは?
パブリックドメインとは、著作権が発生しない、または保護期間が終了した状態のことです。
例としては:
- 明治や大正時代の小説(夏目漱石など)
- 著作者が亡くなってから70年が経過した作品
- 国や自治体が発行した一部の資料
ただし、こちらも注意点があります。
たとえば、古い作品を現代風にアレンジしたものには、新たな著作権が発生している場合もあります。
⚠️「自由に使ってOK」と思い込まないで!
次のような素材や作品を見たときは、必ず利用条件を確認しましょう。
- 「著作権フリー」「無料配布」と書かれている素材
- インターネット上のイラスト・音楽・写真・文章
- AIで生成された画像やテキスト
使ってよい条件、ダメな条件が明記されているかを確認することが大切です。
■ 最後に
著作権を意識することは、他人の創作を大切にすること。 そしてそれは、自分自身のアイデアや作品を守ることにもつながります。
著作権の話は、すぐに答えが出ないことも多いですが、私自身も日々学びながら、こうして少しずつ伝えていけたらと思っています。
どのくらいの方に届いているかは分かりませんが、「あ、役に立ったな」と思ってもらえることを願って、これからも続けていきます。
また気が向いたときに、のぞいていただけたらうれしいです。
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・第1回:著作権の実名登録とは?第一発行年月日との違いも初心者向けに解説!
・第2回:「プログラム著作物の著作権管理と創作日の登録が重要な理由」
・第4回:これ、使っていいのかな?――著作者がわからない作品と著作権の話
・第5回:ネットにあるもの、勝手に使ってもいいの?~画像・文章・音楽などの取り扱い注意ポイント~
・第6回:自分の作品が勝手に使われた!そんなときどうすれば?
・第7回:お客さんとやりとりするときに気をつけたい、著作権と契約の話
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