著作権シリーズ第10回 これだけは押さえたい!著作権と上手に付き合うための10のルール
こんにちは!
行政書士Aya法務事務所では、個人事業主や小規模事業者の皆さまの知財(知的財産)に関するお悩みをサポートしています。
このブログでは、著作権を“こわいもの”ではなく“味方”として活かすための知識を、初心者の方にもわかりやすくお届けしています。
「著作権って難しそう…」「知らないうちに違反していたら怖い…」そんな不安の声をよくいただきます。
そこで今回は、シリーズの締めくくりとして、今日から実践できる「心得10か条」をまとめました。
ネット時代を生きる私たちにとって、著作権は避けて通れないテーマ。
でも、基本的な考え方さえ押さえておけば、難しいことはありません。
著作権と“ちょうどよく”付き合っていくためのヒントとして、ぜひご活用ください。
目次
- ネット上の情報は“自由”ではない
- 引用と転載の違いを知る
- フリー素材の条件を確認する
- 意外なところに他人の権利が
- 著作権表示がなくても権利はある
- 出所不明の素材は避ける勇気を
- AI生成物にも注意が必要
- 自分が著作権者になることも
- 他人に使わせるときは条件明示を
- 迷ったら「避ける」か「確認」
① ネット上の情報は“自由”ではない
インターネット上には、誰でもアクセスできる情報や画像、音楽などが無数に存在しています。そのため、「自由に使っていいもの」と誤解されがちですが、それらはすべて“著作物”であり、著作権によって保護されています。
事例:ある飲食店が、ネットで見つけたキャラクター画像をチラシに無断で使用し、原作者から損害賠償を求められたケースがあります。「ネットにあるから使っていい」は通用しません。
② 引用と転載の違いを知る
引用は出典の明記、必要最小限の使用、本文との主従関係など一定の条件を満たす必要があります。転載はそのまま載せる行為で、原則許可が必要です。
事例:ブログでニュース記事を全文転載し、新聞社から警告を受けた事例があります。「引用のつもりだった」は通じません。
③ フリー素材の条件を確認する
フリー素材でも「商用利用OK」「クレジット表記必須」「改変禁止」などの利用条件があります。無料=無制限ではありません。
事例:フリー音源をCMに使ったが、クレジット表記義務を守らず、削除を求められたケースがあります。
④ 意外なところに他人の権利が
テンプレートやフォント、アイコンなど、パーツ単位でも他人の著作物が含まれている場合があります。
事例:商用不可のフォントを使ったチラシが問題となり、著作権侵害を指摘されたケースがあります。
⑤ 著作権表示がなくても権利はある
著作権は創作時点で自動的に発生します。©マークの有無は関係ありません。
事例:©がなかったからとコピペした記事で訴訟に発展した例もあります。出所確認が重要です。
⑥ 出所不明の素材は避ける勇気を
Pinterestやまとめサイトなどの出所不明素材はリスクが高いです。著作権者が分からないものは使わないのが安全です。
事例:SNSの画像を広告に使い、プロカメラマンに訴えられた事業者も。
⑦ AI生成物にも注意が必要
AIが使った学習素材に著作物が含まれている場合、生成されたコンテンツでも問題になる可能性があります。
事例:生成画像に著名キャラクターの特徴が含まれ、企業に問い合わせが入った例も。
⑧ 自分が著作権者になることも
自分の作った資料・写真・文章も著作物です。無断使用されれば、権利を主張できます。
事例:SNSの写真が旅行会社に無断で使われ、謝罪と賠償に至った例もあります。
⑨ 他人に使わせるときは条件明示を
提供するときは「商用利用可否」「改変の可否」「クレジット表記」などの条件を明示しましょう。
事例:条件を明示せずに提供し、営利目的で無断再利用された例もあります。
⑩ 迷ったら「避ける」か「確認」
不安がある場合は使用を見送るか、著作権者に確認するのが安全です。専門家に相談するのも有効です。
事例:卒業制作に楽曲を無断使用し、公開停止になった学生の例も。
まとめ:想像力と行動力でリスクを減らす
著作権を守ることは、自分自身の信頼や誠実さを守ることにもつながります。「自分の作品を勝手に使われたら?」という想像力が、正しい判断を後押しします。
知らずに誰かを傷つけないために。安心して創作・発信できる環境を整えるために。今日からできることを、一つずつ積み重ねていきましょう。
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📚 過去記事はこちら
・第1回:著作権の実名登録とは?第一発行年月日との違いも初心者向けに解説!
・第2回:「プログラム著作物の著作権管理と創作日の登録が重要な理由」
・第4回:これ、使っていいのかな?――著作者がわからない作品と著作権の話
・第5回:知らなかったでは済まない!著作権トラブルを防ぐ3つの鉄則
・第6回:自分の作品が勝手に使われた!そんなときどうすれば?
・第7回:お客さんとやりとりするときに気をつけたい、著作権と契約の話
・第8回:著作権フリー?パブリックドメイン? よく聞く言葉をやさしく解説
・第9回:著作隣接権ってなに?画像・音楽・演奏…使う前に知っておきたい注意点
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