なぜ忘れられた不動産が生まれるのか|相続で見落としが起きる理由
所有不動産記録証明書制度の記事を2回に分けて投稿してきました。
今回は、制度が始まった背景にもある「忘れられた不動産」について、
「なぜ生まれるのか」「放置するとどうなるのか」を、できるだけやさしく整理します。
相続人が不動産の存在を知らない
相続の場面では、こうした不動産が話題に上がらないことも少なくありません。
親や祖父母が取得した不動産について、相続人である子や孫が、その存在を把握していないケースは珍しくありません。
特に、遠方の山林や原野、長年使われていない空き地などは、日常生活の中で話題に上ることも少なく、
相続がきっかけで初めて知る、ということもあります。
相続手続きが途中で止まっている
預貯金については分け終わっているものの、不動産については話し合いが進まず、そのままになっている。
また、「急ぐものではないから」と後回しにしているうちに、名義が先代、さらにその前の世代のままになっていることもあります。
こうした状態が続くと、相続人が増え、結果として誰も手を付けられない不動産になってしまうことがあります。
固定資産税の通知で安心してしまう
毎年、固定資産税の納付書が届いていると、「不動産はきちんと把握できている」と感じやすいものです。
しかし、他の市町村にある不動産や、課税対象になっていない土地などは、通知に含まれていない場合もあります。
一部だけを見て、すべてを把握できていると思ってしまうことが、見落としにつながることもあります。
相続人が多く、話し合いが進まない
兄弟姉妹が多い場合や、相続人が甥や姪にまで広がっている場合には、
「誰が引き継ぐのか」「どうするのがよいのか」といった話し合いが進まず、不動産がそのままになってしまうこともあります。
忘れられた不動産がもたらす影響
不動産が放置された状態が続くと、
- 管理が十分に行われない
- 売却や活用を検討しづらくなる
- 次の相続でさらに整理が難しくなる
といったことが起こりやすくなります。
「今は特に困っていない」と感じていても、将来、思わぬ負担になることもあります。
管理制度が必要になる場合もあります
このような状態が長く続くと、最終的には、家庭裁判所が関与する不動産の管理制度を利用せざるを得ない場合もあります。
これらは、財産が宙に浮いたままにならないための最後の手段として用意されている制度です。
(※管理制度については、別の記事であらためてご紹介します。)
だからこそ「把握すること」が大切です
忘れられた不動産は、特別な事情があるご家庭だけの問題ではありません。
「知らなかった」「そのうち確認しようと思っていた」
そうしたことの積み重ねで、誰にでも起こり得ます。
所有不動産記録証明書制度は、こうした状況を防ぐために、
まず不動産を整理・確認するための手段のひとつです。
管理制度が必要になる前に、一度、持っている不動産を見直してみることも大切です。
相続や将来のことを考えるきっかけとして、
「どんな不動産があるのか」を確認するところから、少しずつ始めてみてはいかがでしょうか。
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