知財のグレーゾーンシリーズコラム②(第2.5回):SNS時代の知財トラブル
― 不正競争防止とSNSの罠 ―
こんにちは!
今回は、知財のグレーゾーンに関するシリーズとして、「SNS時代における知財トラブル」について取り上げます。
前回まではこちら▼
・第1回 :営業秘密が漏れる典型パターンと防止策を解説!
・コラム①:営業秘密と契約の穴〜守ったつもりが、守れてなかった〜
・第2回 :不正競争防止法の落とし穴~「盗用された!」と思っても守れないこともある?~
個人や小規模事業者の方でも活用が進むSNSですが、知らずに法的リスクを抱えてしまうケースが意外と多く見受けられます。
とくに、不正競争防止法に関わる「形態模倣」や「営業秘密の漏洩」といったテーマは、知財のプロでなくても知っておきたいポイントです。
商品紹介投稿が「形態模倣」と言われる!?
たとえば、人気のある商品をSNSで紹介しようと、自分で似た商品を作って「これ、すごく似てませんか?」と投稿した場合…。
実はそれ、形態模倣として不正競争防止法違反に該当する可能性があります。
不正競争防止法では、他人の商品等表示と「紛らわしい」ものを無断で使用することや、模倣した商品を販売することを禁止しています。
SNSは発信力がある分、投稿が証拠となってトラブルに発展することもあるのです。
「レシピ」「キャッチコピー」「ロゴ」も要注意
SNSでは以下のような投稿もよく見かけますが、思わぬ法的リスクがあることを知っておきましょう。
🍝 レシピ再現投稿
→ レシピそのものは基本的に著作権で保護されにくいですが、元従業員が企業秘密のレシピを流用するなどの場合、不正競争防止法に触れる可能性があります。
とくに「完全再現」や「企業の味をそのまま」などの表現は避けた方が無難です。
✅ ポイント:
「非公式」「自分なりのアレンジ」といった表現を加えるなど、出所や意図を明確にする工夫が大切です。
💬 キャッチコピーの流用
→ 短いフレーズでも、企業の印象に強く結びついたキャッチコピーは、著作権や不正競争防止法の対象になることがあります。
✅ ポイント:
オマージュや参考にした場合でも、元ネタを明示する、誤認を避ける表現にするなどの配慮を。
📸 ロゴ・商品写真の無断使用
→ お店やブランドのロゴ、誰かが撮影した商品写真を無断で投稿に使うと、著作権侵害や営業上の信用毀損につながることも。
✅ ポイント:
写真やロゴは著作権・商標権の対象。出典の明記、必要に応じた許諾取得を心がけましょう。
🔍補足:SNSで「やってしまいがち」知財トラブル
SNSではつい軽い気持ちで投稿してしまいがちですが、次のような行動にも注意が必要です。
🔁 バズ投稿の「参考アレンジ」が酷似している
→ 流行の投稿や人気の作品を真似た表現でも、内容が酷似していると「二次創作の域を超えている」と判断されることがあります。
✅ ポイント:
引用する際は出典を明確にし、創意工夫を加える・比較ができる形で見せるなどの配慮を。
❤️ 「いいね」だけでもトラブルになる?
→ SNS上では「いいね!」も一つの意思表示と見なされます。
特に業務用アカウントでは、過激な投稿や炎上中のアカウントに対して無意識に「いいね」することで、支持している・関係があると誤解されるケースがあります。
✅ ポイント:
投稿内容をしっかり読んだうえで、「何に対して反応するのか」を意識する習慣をつけましょう。
SNS上の小さな行動が、信頼や信用に影響する時代です。
おわりに
いかがでしたか?
SNSはとても便利なツールである一方、知財や契約の知識がないと、うっかりリスクを生み出す場でもあります。
私もまだまだ勉強中ではありますが、「知らなかった」で困る方を少しでも減らせるよう、
これからも知財のことを、できるだけわかりやすく発信していきます。
また気が向いたときに、のぞいていただけたら嬉しいです。
知財をもっと身近に。もっと味方に。
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📚 これまでの記事はこちらから
👉第1回 :営業秘密が漏れる典型パターンと防止策を解説!
👉コラム①:営業秘密と契約の穴〜守ったつもりが、守れてなかった〜
👉第2回 :不正競争防止法の落とし穴~「盗用された!」と思っても守れないこともある?~
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