亡くなった家族の預貯金口座はすべて分かる?―2025年開始「相続時預貯金口座照会制度」を解説―

相続の手続きをしていると、意外と多いのが次のような相談です。

「亡くなった家族の預貯金口座が、どこにあるのか分からない」

こうした場合に参考になる制度の一つが、2025年に始まった「相続時預貯金口座照会制度」です。

通帳が見つからなかったり、昔作った口座の存在を家族が知らなかったりすることは、決して珍しいことではありません。相続手続きでは預貯金も重要な相続財産になるため、どの金融機関に口座があるのかを把握することはとても大切です。

実は、私自身も最近この制度を知り、「こんな仕組みが始まっていたのか」と驚きました。比較的新しい制度のため、まだあまり知られていない制度かもしれません。相続や終活に関わる情報は、知っているかどうかで手続きの負担が変わることもあります。

そこで今回は、「相続時預貯金口座照会制度」について、制度の概要と注意点をやさしく整理してみたいと思います。

相続時の財産整理や預貯金口座の確認をイメージした写真

この記事はこんな方の参考になるかもしれません

  • 亡くなった家族の預貯金口座がどこにあるのか分からない
  • 相続手続きで預貯金の確認に困っている
  • 相続財産の調査方法を知りたい
  • 家族が困らないように終活を考えている

そのような方に、参考になれば嬉しいです。

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相続手続きで意外と困る「預貯金口座が分からない」問題

相続の場面では、どの金融機関に口座があるのか分からない/昔作った口座の存在を家族が知らない/通帳やキャッシュカードが見つからない、というケースもあります。

一般的には、郵便物・通帳・キャッシュカード・確定申告書・クレジットカードの利用明細などを手がかりに確認していきますが、それでもすべての口座を把握できるとは限りません。


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生命保険には一括照会制度がある

生命保険については、生命保険協会による「生命保険契約照会制度」があり、加入状況を照会できる仕組みがあります。

そのため、以前から「金融機関の口座も一括で確認できたらいいのに」と感じていた方も多いのではないでしょうか。

🔗外部リンク:生命保険契約照会制度(生命保険協会)
https://www.seiho.or.jp/

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2025年から始まった「相続時預貯金口座照会制度」

2025年から始まったのが、「相続時預貯金口座照会制度」です。相続人(包括受遺者を含む)は、預金保険機構を通じて、亡くなった方(被相続人)名義の預貯金口座情報の提供を求めることができます。

照会の結果は、金融機関名・支店名・預貯金の種類・口座番号などの情報として通知されます(残高は通知されません)。

🔗外部リンク:預金保険機構(利用規程PDF)

全国の信用金庫(PDF)

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制度の仕組みと手続きの流れ

申請できる人
相続人(包括受遺者を含む)など

申請先
金融機関の窓口で申込み(預金保険機構が各金融機関へ照会)
※お取引のない金融機関でも申込みできる場合があります(委託先に限る)。

照会できる期間
被相続人の死後10年まで

手数料
1件 5,060円(税込)
※預金保険機構および金融機関所定の手数料

結果通知までの期間
おおむね1か月程度

代理人申請
代理人による手続きも可能とされています。

他の相続人の同意
この照会は相続人等が行う手続きで、他の共同相続人の同意は不要とされています。
ただし、連名での申請はできず、申請は相続人ごとの手続きになります。

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この制度を利用する際の注意点

便利な制度ではありますが、
いくつか注意しておきたい点もあります。

まず、この制度で照会できるのは被相続人が生前にマイナンバーと紐づけていた口座に限られます。

現在、銀行口座とマイナンバーの紐づけは任意であり、紐づけをしていない口座は、この制度では照会できません。

そのため、この制度だけですべての預貯金口座が確認できるとは限らない点には注意が必要です。

また、通知されるのは

・金融機関名
・支店名
・預貯金の種類
・口座番号

などであり、口座の残高は通知されません。

あくまで、口座の存在を確認するための一つの手段と考えるとよいでしょう。

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相続では「財産調査」がとても大切です

相続手続きでは、相続財産を正確に把握することがとても重要です。預貯金のほかにも、不動産・有価証券・生命保険・借入金など、さまざまな財産が対象になります。

通帳や郵便物、契約書類を確認しながら、財産を一つずつ整理していくことが基本です。今回ご紹介した制度も、そうした財産調査を進める際の参考となる仕組みの一つと言えるでしょう。


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制度に頼らなくてもよい準備を

そして何より大切なのは、残された家族が手続きで困らないようにしておくことです。

今回ご紹介した制度は、相続時に預貯金口座を確認するための一つの手段になります。しかし本来は、こうした制度を使わなくても済むように、自分の財産を自分で把握し、家族にも分かる形で整理しておくことが理想です。

どの金融機関に口座があるのか、通帳やキャッシュカードはどこにあるのか。こうした情報を整理しておくことは、残された家族への大切な備えになります。。

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