🌱知財シリーズ第5回 「衣装と知財の交差点」〜ファッションと知財の関わりを総まとめ〜

こんにちは!
当事務所では、個人事業主や小規模事業者の皆さまの知財(知的財産)に関するお悩みをサポートしています。私自身も日々勉強を続けながら、「ちょっと難しいけれど、全然できなくもない!」を合言葉に、皆さんと一緒に学んでいけるブログを目指しています。

ファッションという身近な世界にも、実は多くの知的財産が関係しています。
今回は、**「衣装」や「ファッションアイテム」**と知財の関係を、「著作権」「意匠権」「商標権」の3つを軸にまとめてみました。


▶ 著作権とファッション:創作性がある衣装は保護の対象に

著作権法では、「思想または感情を創作的に表現したもの」であれば著作物として保護されます。
では、洋服や衣装はどうでしょうか?

🔸 ポイントは“創作性”

・単なる機能的な衣服(例:白シャツ、ジーンズ)だけでは著作物にならない
・しかし、独自性や芸術性のあるデザイン(例:舞台衣装、コスチューム)は保護対象になり得る

たとえば、有名な舞台用衣装やキャラクターのコスチュームなどは、著作権法によって保護されているケースがあります。
衣装デザインの創作性が高い場合、それ自体が著作物になることもあるのです。


▶ 意匠権とファッション:量産される“デザイン”を守る

意匠権は、物の形状や模様など、見た目のデザインを保護する制度です。

🔸 意匠登録される衣装とは

・量産される衣服やバッグ、アクセサリーなどが対象
・“新しい” “美しい” “産業上利用可能”であることが必要
・意匠登録には出願が必要(先願主義)

意匠権と“新しさ”の大切さ
ファッションに関連するデザインを意匠として保護するには、「新しいデザイン」であること(新規性)と、簡単には思いつけない創作性(創作非容易性)が求められます。つまり、すでに世の中に出ているデザインと同じものは登録できませんし、ちょっとアレンジしただけでは意匠権は取れないことも。

著作権が自然に発生するのに対し、意匠権は**「先に登録しておくことで手に入れる権利」**です。

だからこそ、デザイナーにとっては「他の誰よりも早く・しっかり保護する」ことがとても重要になるのです。

✅ たとえば、有名ブランドのバッグや、斬新なフォルムのスニーカーなどは、意匠権で保護されていることがあります。


▶ 商標権とファッション:ブランドイメージを守る

ファッションブランドにとって、**「ブランド名」や「ロゴマーク」**は命とも言える存在です。

🔸 商標として保護されるもの

・ブランド名(例:GUCCI、UNIQLOなど)
・ロゴ(特有の図形や文字)
・色や形、音や動きも商標になることがある(色彩商標、音商標など)

さらに、服の特定の位置に特徴的なデザインが施されている場合には、「位置商標」として登録できることもあります。

🔹 位置商標とは?
商品の「特定の位置に表示されたマーク」に識別力があると認められる場合、その位置自体を含めて商標として保護する制度です。

🔸 有名な例:リーバイスのジーンズ

リーバイスのジーンズに見られる後ろポケットのV字型ステッチや赤いタブの位置は、位置商標として登録されています。
これは、たとえ「LEVI’S」という文字がなくても、消費者が「リーバイスのジーンズだ」と認識するほど強い識別力を持っているためです。

このように、商標は単なる「名前」だけでなく、服そのもののデザイン要素に近い部分も保護される場合があるのです。


▶ 衣装の世界は知財が重なり合う

ファッションの世界では、著作権・意匠権・商標権が“重なって”機能していることが多くあります。

たとえば…

  • 派手な舞台衣装:著作権(創作性)+意匠(量産デザイン)
  • ブランドバッグ:意匠(デザイン)+商標(ロゴ・形状)
  • スニーカー:意匠(フォルム)+商標(ロゴ・位置・色)など

つまり、衣装という一つのアイテムにも複数の知財が関係しているのです。


▶ ファッション×知財は“権利の掛け算”

ファッションビジネスでは、これらの知財を「掛け合わせて活用」することが重要です。

🔸 守るためには準備が必要

・意匠は登録しないと権利にならない
・商標も使う前に出願が安心
・契約書や許諾条件の整備も必要

一方で、他人の知財をうっかり侵害しないように注意することも大切です。
特に、ネット上での模倣や転売、デザインの流用などは問題になりやすい領域です。


▶ まとめ:ファッションこそ知財の宝庫!

ファッションは、日常の中にある「創作とデザイン」の結晶です。
だからこそ、知財の視点から見ると多くの学びがあります。

  • 見た目のデザイン=意匠権
  • ブランド名やロゴ=商標権
  • 創作性のある衣装=著作権

衣装に関わる知財を意識することで、より豊かな視点を持てるはずです。
そして、デザイナーやクリエイター、ファッションを愛するすべての人たちが、
自分たちの創作物を正当に評価し、守る仕組みを知っておくことはとても重要です。

▶おわりに

著作権、商標、意匠。
ファッションという身近な分野に、これらの知的財産がどのように交差しながら活用されているのかを見てきました。
次回は、その中でも「意匠権」に焦点を当てて、具体的な保護内容や仕組みを詳しく掘り下げていきます。
デザインの価値をどう守るか、そしてどう活かしていくか。
知っておくことで、見える世界が少しずつ広がるかもしれません。

知財の話って、ちょっと難しそうだったり、答えがすぐに出ないこともよくあります。
でも、だからこそ、私も学びながら、こうして少しずつでも伝えていけたらと思っています。

「へえ、知らなかった!」「ちょっと役に立ったかも」と思ってもらえたら本当にうれしいです。

また気が向いたときに、のぞいていただけたら嬉しいです。
私もまだまだ勉強中ではありますが、「知らなかった」で困る方を少しでも減らせるよう、
これからも知財のことを、できるだけわかりやすく発信していきます。

知財をもっと身近に。もっと味方に。

\お気軽にお問い合わせ・ご相談ください!/


🔜次回予告(第6回)

次回(第6回)では、「意匠」という知的財産について、より深く解説していきます。
「著作権」との違いや、「商標」との使い分けなど、整理してお伝えする予定です。
ぜひご期待ください!

📚過去の記事はこちらから

・知財シリーズ第1回:著作権だけじゃない!」~知財って、実はあなたのすぐそばにある~
・知財シリーズ第2回:「名前」や「ロゴ」にも知的財産があるって本当? 〜商標のお話〜シリーズ第2回
・知財シリーズ第3回:「特許」ってすごい!〜未来を変える発明のチカラ〜
・知財シリーズ第4回: 契約してこそ活かせる!知財の利用と守り方 

🔗外部リンク

👉特許庁:中小企業の皆さまへ 知的財産を事業に活かそう

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